自然との調和
自然風の利用

自然の風を取り入れる工夫をしています。 風の入る方向を知り、外の風を取り込みやすくし、室内を風を通りやすくする事で、夏場、夜間を涼しく保つようにしています。
また、高い位置に窓をつくる事で、部屋の上部にたまった熱を排出します。
また、キャットウォークを作ることで、窓掃除なども簡単にすることができます。
軒先を深くする事で夏の陽射しを遮り、冬の陽射しを建物の中へと取り入れやすくしています。昔ながらの家づくりの要素を取り入れています。その為、垂木は通常良く使うものより太く大きな材料を使用しています。
昼光利用 日射熱の利用


夏は暑い日差しを遮り、冬は部屋の奥まで陽射しが入るよう、階段部は縁側のような感じのところにつくりました。吹き抜けをつくることで開放感があり、南側に面しているので、2Fの窓からは光が入り、日中はとても明るく照明がいりません。
サッシは熱・空気・光・眺望など屋内外をつなげる機能と同時に断熱性や防犯性が求められますが、中でも断熱性は弱点となりやすい部分です。サッシ・ガラス共に多様のバリエーションがあります。西条本社では、3種類のサッシを使用しています。熱伝導率が低く、サッシの内側が樹脂のタイプと、サッシ枠のスッキリしたもの、ガラスは全て複層ガラスになっています。こういったサッシを使用する事で断熱性能が高くなります。
また、サッシの機能以外に夏の陽射しを遮る一番の方法は、「窓の外側に影をつくる事」です。一番の方法は、「外付けブラインド」ですが、コスト面を考えると、「すだれ」や「緑のカーテン」も効果的です。

【断熱材】
断熱というのは、住宅の室内と室外との境界における熱の出入りを抑制する事を目的としています。この事が省エネルギーで良い室内環境にする事につながります。
断熱材にはいろいろな種類があり、工法により適しているもの、適さないもの、価格の差などあるのでその状況に応じた断熱材を使用するのがベストです。
西条本社の事務所では「現場発泡断熱材」を採用しています。(一部ボード状断熱を使用)

【外付けブラインド】
夏の昼間の冷房時に建物内に侵入する熱量の71%は窓から入る日射です。外付けブラインドならその日射エネルギーの80%以上をカットできるので、冷房効率が大幅にUPします。
また、ブラインドなので、光の調節もでき、外から中は見えなくても通風ができます。
通気

断熱と同時に大切なのが「通気」です。断熱を良くしたいだけでは目に見えないところで結露が発生し、建物自体がダメになってしまいます。
西条本社の建物は、見た目は昔ながらの建物のようにしていますが、大壁構造になっており、見えている柱は付柱(後からつけた柱)で、壁は「しっくい塗り」になっていますが、外壁通気工法になっています。

【棟換気の仕組み】
木造の建物を長く保たせるためには、木材を乾燥させることが大切です。湿気は建物の内外から入りこみます。そして、暖かい空気は水蒸気を含んでいま すが、気温が下がると内部結露が発生しやすくなります。そこで、外壁と建物の間(柱の間)に空気層を設け、空気を通すことで、木材の乾燥を保ちます。

そして、湿気は通すが、雨水は通さない素材が使用されています。
通気の仕方も工法により数種類ありますが、西条本社では、外壁や軒から入った空気が、屋根の「棟」から抜ける「棟換気」になっています。
【参考資料】
自立循環型住宅への設計ガイドライン 国土交通省 国土技術政策総合研究所
独立行政法人 建築研究所
省エネ・エコ住宅設計究極マニュアル 編・著 野池 政宏